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サポーターズ・フロー 『心はひとつ』 1 [Marinos *]

今読んでいる本は、とてもおもしろい。
スポーツという現場での“感性”について考えている本です。
(“得意のロジック”を超えて、ここに名前を連ねているのが、実に岡ちゃんっぽい。)
トップアスリートの“感性”を、いろんな事例を持って解説して、読み解こうとしている。
おもしろすぎて1pがなかなか進まないので、まだ読了はしてないのだが、
マリノスの試合を観ている側として、
何度も経験したことが、「を、これかぁ。」という箇所があったので、
広島戦を明日にひかえて、書いてみることにした。

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【サポーターとしての“ゾーン”突入】

選手には“ゾーン”と呼ばれる領域があるらしい。
(↑長くなるので、リンクを参照してください。
ご存知の方も多いと思いとはますが。)
しかし、この“ゾーン”は、サポーターにもある。

相手にいくら気を惹く選手がいても、対戦となると、トリコロールの選手ばかりが目に入る。
それが増していくと、
トリコロールの選手しか見えなくなり、
もっと増していくと、
トリコ選手間のコンマ秒先のボールの軌道が見えて、ゴールが決まることが予感できて、
「だって、決まるって思ってたもん。」という。
そういう状態を、サポーターの“ゾーン”だと、私は思ってます。

選手の場合も“ゾーン”というのは、
いわゆる“無意識”の“無我夢中”で「何も考えていない」状態のことが多いらしい。
しかし、この“無意識”の状態とは、個人の範疇で終わる事がなく、その先がある。
それが、“集合的無意識”というもので、“ゾーン”は伝染るのだ。
『チーム一丸』とか『一体感があった』というのは、まさにこの“集合的無意識”の状態。
090519.jpg

“ゾーン”は伝染る。
そう、その伝染はピッチを超えて、スタンドにまで伝染る。
マリノスの試合を観ているこの10年弱の間、私は何度も伝染っている。


【こだます手拍子】

マリノスのスタンドで、私がすごく好きな現象。“こだます手拍子”。
一糸乱れず同じボルテージで試合中続く応援のチームは、いまや、多い。
しかし、マリノスのスタンドというのは、そこを超えたところに真髄があると思ってる。

横国(日産スタジアム)はでかい。
大きいので、コアなゴール裏サポばかりが“ホーム自由”にいるわけではない。
いつも熱くコールを続けてくれるコアなサポがいて、
その周りに「試合を観たい」サポがいて、その周りには「ファン」がいて、その外側に「お客さん」がいる。
どこのスタジアムも構成はかわらないのだと思うが、
マリノスのゴール裏は、それが顕著で、スタジアムがでかいだけに広範囲に“取り囲む”状態になる。
あくまでも核は、ゴール裏4Fのコアなサポーター。そこがあってこその話なのだけど、
試合が進むにつれ、トリコロール選手のプレーに対しての“反応”があらわれはじめる。
1プレー、1プレーに起こる、ため息や歓声。震えだし、うねりだす空気。
横国(日産スタジアム)の観戦の醍醐味は、ここだと思ってる。
コアなサポからお客さんまで同時に「ここだ。」と思う瞬間、
手拍子がものすごいスピードで音量をアップしていく。
その中に身をおいていることの身震い。
そして、これが、(傍からみると)ミラクル(と呼ばれる)な結果をかなりの確率で上げる。

私は、たいていの場合7Fのファミリーや「お客さん」の多いところにいるので、
そのボリュームが上がる詳細を見ている。
前半、飲んだり食べたり語ったりしていたお客さんが、
試合に集中しだし、声をあげはじめ、こちらの手拍子につられるように手を打ち始める。

ホームで優勝を決めた試合は、もれなくこの“こだます手拍子”現象が起きていた。

これが、“ゾーン”の伝播、個人的無意識から集団的無意識、
トリコロールの選手のプレーを起点にして、スタジアム全体や空気、時間をもつなぐ“グループ・フロー”なのだと思う。

「ミスがミスでなくなる」「時間がゆっくりになる」「あたりまえのように必然であったかのように何かが起きる」
「なにかに導かれるように」「流れにのるように」

これが、満員に近い横国でしか起きないかというと、そんなことはなく、
23000だろうが、17000だろうが、起きてしまうのが03-04シーズンだった。
それは、度重なる経験からの“信頼”と“確信”が呼んだものだと思う。

その経験があるから、
私は、今も7Fで、チカラいっぱい手を打っているのだけど。




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