SSブログ

『サラエボの花』 1/30国立に向けて [footballistic *]

『サラエボの花』を観てきました。

これだけの過去。
真実と向き合うこと。
それでも、前へ進むこと。

私たち日本人は、これだけ強い過去からの引力を、持ってはいない。
(敗戦を経験した世代には、きっとあるのだと思う。)
過去に引っ張られながら、
それでも淡々と、静かに前に進もうという意志。
それが、この国の今。

思い出したくもない過去の象徴と、誰よりも愛しく生きる支えが、
同じ存在であることの苦しさなど、
とうてい私には、想像すらできない。

内戦があったから、強いアイデンティテーが生まれている事も確かであるが、
それは、不幸のあとに築きあげられたものであって、
私たちが、あえてその戦火に飛び込むようなことをするのは、
とてもおろかなことだし、
「二度と、どの国にも、あってはいけないこと。」と、ボスニア・ヘルツェゴビナの人たちは、
きっと、思っている。

ただ、どんな状況下においても、
人は、人としっかり向き合うことで、“神聖な姿勢で生きる”ことができる。
私は、人と向き合うことを、やっぱり、「避けているなぁ。」と、思う。
人とぶつからなくても、なんとなくは生きてゆける国にいるから。
人と、痛いぐらいに向き合わないと、前に進めないという状況の国もある。

そして、その国が、どんな状況であろうと、
同じシンプルなルールで、サッカーという競技が行われ、
人々の生活を活気づけ、潤おしていることが、
やはり、とても、すばらしいことだと思う。

1/30、私たちの代表は、この国の代表と対戦する。
この日、日本のベンチで祖国代表と戦うことを、
彼はどれぐらい待ち望んでいたことだろう。

主人公エスマの真摯さは、やはり、彼を思い出させた。
私たちの代表に、私たちの国のリーグに、サッカーに、心血を注いでくれたボスニアの人。
この試合を、観戦してもらえることを、心からうれしく思うとともに、
ここまで早い復活をみせてくれた彼のたくましさを尊敬する。

彼が、愛する祖国へ、笑って帰れるように、
私たちの代表も、今の精一杯の力を出してほしいと願う。

昨年11月に、オシム氏が映画に寄せたメッセージ。


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:スポーツ

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。