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ジョーカー降臨の条件 [Marinos *]

鹿島戦の流れは、興梠投入から変った。
終盤、興梠が入ってくるのは今季鹿のお約束。
結果的に“わかってるんだけど、どーにもならない”興梠を、トリコは止めた。

気がつくと眼下に11番と24番。
「よしっ、サカティ!今日こそ行け!」と、意気込んではみたが、
たかが“いちサポ”の意気込みをみすかしたよーな鹿選手。
ボールをずるずるキープする。
トリコ選手も切ればいいのに、切らない。
「だからぁ、サカティが入るってばぁ。」と、鹿選手のずるずるに勢いをそがれる私。
あのずるずる時間に、
オリベイラは新井場投入の準備をしていたのだと思うと、くやしくてならない。
うちにとって興梠が想定内だったよーに、
オリベイラにとっても終盤のサカティは、想定内だったよーで、
こちらの手に、着々と準備は進めていたってことです・・・・・おそるべし。
新井場と興梠が、期待されたとおりに縦に容赦ないので、
うちは『全員で守るぞ』時間に突入し、引くだけ引くことになり、
その上中盤も、もう精根使い果たした状態だったのでDF8人状態で、
せっかくのサカティも、
前監督に不本意な太鼓判をもらった『(勝ってなかったけど)勝ってる時の時間の使い方は抜群』の範疇を超えたプレーはできなかった。

トリコの“働く王様”は、天敵オガサと違って、
まだ、てきとーにさぼって狙うことを知らないので、
『いざDF』となると先陣を切って先頭でひらひら身体を張りはじめる。
チームNo.1“サカティウォッチャー”のマツにも、まったく余裕がなく、
なので、サカティにボールが出るはずもなく、
サカティが追いまわしても、兵藤も兄もう飛び出す余力など残ってない。
そういう意味で学投入となったのだろうが、
いかんせん、相手は鹿・・・・。

交代では、オリベイラに軍配だったと思う。

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うちとの対戦では、なにかと不運な印象ばかりの本山。
他との試合ではするどさを見せるのに、退場とか負傷退場とか。
坊ちゃん移籍準備に、奥とともに名前があがっていた頃は、
「もっちゃんもいいかもしれん。」と思えるほど鹿っぽくなかったが、今や鹿の中心選手。
シドニー時、本山は五輪代表でも鹿でも、“スーパーサブ”だった。
いつなんどきでも後半途中から投入されて、
拮抗したピッチのリズムとは違うので、おもしろいほど結果を出した。
そう、もう“名物”になるぐらいのスーパーサブ。
なぜ、あんなにもののみごとに効いたのだろうか?

最初は、ピッチに運動量を戻す“交代選手”にすぎなかったと思う。
しかし、ひとつ、ふたつと結果が出るたびに、
本人と、ベンチと、ピッチの選手の潜在意識に訴えかけていたのだと思う。
「本山がはいれば、何かかわる。」→本山が入ったら、こういう配球、こういう動き。
それを、坊ちゃんやオガサを中心に、疑うことなくやったってこともある。
(当時、絶賛のスーパーサブは「僕だって、スタメンから出たいですよ。」と言っていたが、
今や押しも押されぬ鹿スタメンになっていることは、
スーパーサブに心躍った私にもうれしい。)

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今季のトリコロールの選手交代は、
『交代して何をするのか?』が不明瞭なことが多い。
(前節の大差をつけての“育成まつり”以外。)
ユースはえぬきばかりなので、いつでも育成枠みたいになる。
その交代の時に、
「はいってこうしろ。」という指示は、ベンチから出てるのだろうか?
と、交代選手のみならず、
「学が入るからこうだ。」「アーリアが入るからこうだ。」というのが、ピッチとベンチにギャップがないのか?
大差をつけた試合ならともかく、
ギリギリの状態で経験の浅い若手がピッチのリズムに入っていくのは容易な事ではないだろうし、
そこで乗り切れなかったら、チームにとっても、これから自信をつけなきゃならない若手にとっても、
大きな傷になりかねない。
ベンチやベテランや中堅は、
(余裕が少しでもあれば)気を回してあげてほしいと思う。というのは甘いのか?

さて、サカティです。
サカティに関しては、他ユースはえぬきの育成交代とは、わけが違う。期待も違う。
鹿戦では、めずらしく審判に詰め寄るシーンもあったぐらいで(ほんと、めずらしい。)、
「やります!」という気持ちは充分にあったのだと思うが、
如何せん、あの状態に投入だ。
こーきち君になんと言われて入ったのかはともかく、
そこは経験で、ピッチのリズムにあわせた感もあります。
ただ、まったくチャンスがなかったのかといえば、
ポーンとスペースに出た時、そこにサカティがいなかった・・・・というシーンもあり、
なんとも悩ましい。
追いまわすことがあの時の仕事だったとしても、
どこかで確実に、それは狙ってないと困る。
それが、勝てるか勝てないかに関る。
サカティほどの期待の高い選手が途中からはいる場面に、ジョーカーを期待しないサポはいない。

もちろんそうなるには、サカティひとりでなれるものじゃなく、
兵藤や裕介や小椋が、あともうひとがんばりして、
健太の視野を維持しておいて、サカティにも余裕を持たすことも必要だろうし、
テツやマツが、始終気にしている事も大切だし、
クナンや佑二は、ずるずる続けさせないで、いやらしく切ることも必要だし。
それでも、一番必要なのは、
あの時間から入った時に、
チャンスは数えるほどしかないという、サカティ本人の意志の強さ、頑固さなのじゃあないかと。
三ツ沢での兄の頑固さが結果を出したように。

あの試合は、スコアレスドローでOKだった、たしかに。
でも、この先も、あのような終盤はある。
そこで競り勝つためのキーが“ジョーカー”だ。
そして、今、“ジョーカー”になり得る可能性が一番高いのがサカティではないのっ!
今日からチームは練習を始動している。
『引き分けOK』の次のステップのために、
あそこから1点獲るには、どうすればよかったかを、
みんなが考えてもらいたいと思うし、
その時に、「こうできたら、俺が1点決められた」とサカティには主張してほしい。

スタメンで出た時には、それなりのやり方があるだろうと思う。
しかし、良くも悪くも1本調子になりがちの今のチームが、
もうひとつステップをあがるには、ジョーカー降臨が必須な気がする。
そこを担える選手は、今、そう何人もいないのだよ。
ほんと、頼む。
いつまでもジョーカーを担ってほしいわけではないが、
他にできる選手はいないし、
エースとジョーカーは、表裏一体だと思うから。

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とはいえ、ジョーカー降臨の一番大きい条件は、
ベンチとピッチの意思統一なんだけどね。
だって、交代決めるのは、やっぱり監督なのだし。
若い選手など「こうしてこい。」と言われて出ても、ピッチがそういう条件じゃなかったら、
戸惑ってる間に終わっちゃうか、もしくはやみくもに自己アピールしてる間に終わっちゃう。
だから、せめて味方には“わかりやすく”いきましょーよ。

ナイトの頼もしさはJNo.1。
エースもキングも候補は見えてきた。
あとは、願わくばジョーカーの降臨。

ま、一歩一歩だけど。シーズン長いし。


タグ:坂田大輔
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ピッチの自立か?監督の孤立か? [Marinos *]

鹿島戦の録画をやっと観る。
現地で観て、結果がわかっている試合を録画で観て、
これだけ“息のつまる”試合もめずらしい。
たまたま、現地にいた“どちらのファンでもないサッカー観戦者”の日記に、
『よくある淡々とした試合』という表現を見つけたが、
あの試合がそう見えるのであれば、
“愛するチームがあって応援できること”が、ほんとうにしあわせだと思った。
メイン2Fからでも、そのしのぎを削る感じはビシビシ伝わってきたが、
テレビ観戦の特権である選手の表情などを見ると、
「あぁ、これは、そーとーの極限緊張だったんだなぁ。」ということもわかりました。

中澤佑二の試合であった。
去年末からずーっと、
ありあまる期待から「本調子じゃあないなぁ。」と、ここでも書きつづけてきましたが、
鹿島戦は“真骨頂”。
相手が絶賛ルーキー大迫と押しも押されるMVPマルキということもあって、
プレーヤーとしての気合もいつもの倍だったのだろうけど、
イエローカードもなくことごとく止める。
あれだけ集中続きで、不用意なクリアもなく。
“しかけてもしかけても止められる”DFというのは、相手のリズムを崩し、戦意を喪失させる。
マリノスDF陣の真髄である。

佑二のすごかったのは、“いちプレーヤー”として、にはとどまらず、
終盤『ここは全員で守るから。』を、徹底させたピッチ内での指針力。
後半30分近く頃に「(動きが)止まった・・・・・やばい、一気に来た。」と、
私がメイン2Fでガクガクしていた頃だと思われる。
あそこからの鹿のすごさを痛いほど知っていて、
その時点でのかもめの疲労困憊状態と、ここまでの“悪い癖”を判断した『ここは全員で守るから』。
マツも上がりを自制。
『なにがなんでもここから1点獲る!』を後ろから浸透させるのは、マツの右に出るものはいないが、
『ここは全員で守るから。』を示すのは、ある意味とても勇気のいることで、
それを迷わずやったのが、佑二だった。
2人の総大将の攻守のバランス。
(ここは、2人でその指揮の役割を認識しておいたほうがこの先のためになると思う。)
相当の疲労が残ったはずのホイッスル後、
余裕の笑顔で味方を労い、興梠を労い、小椋と修正の会話を交わし、
ミックスゾーンでは相手ルーキーFWをたたえるところまでも含めて、
“ザ・パーフェクト・中澤佑二”であった。
完全な復活。「その佑二を待ってたんだよぉ。」

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試合後の各選手コメントは、一様に『(くやしいけども)このドローはOK』である。
サポもだいたいがそうである。
ただひとり、『まったく満足していない。』のは、こーきち君。
真意のほどはまったくわからない。
マスコミ向け?とも考えられるが、
選手がこれまた一様に
『監督は攻めるって言ってたんだけど(あの時点では無理)、引き分けでOK。』と言っているのを読むと、
これまた、はたしてどーなのか?と思う。
“ピッチの自立”を促すための策だとしたら、
「どこまで策士・・・・・。」なのだが、

もし、策でもなんでもなく『とにかく行け、高級カウンターで獲られてもいいから行け。』という事なのだったら、
佑二の判断と選手のプレーは、造反になってしまう。
三ツ沢で『繋げ』と指示した直後に、
兄のスペースにロングボールを出した健太も、それをみごとにドリブルで自ら決めてしまった兄も、造反。
神戸戦の4得点は、繋いで崩したわけではなく、
(ハードなプレスあってこその)隙つきと個人能力。

ドロンパは麻布の“シティだぬき”だが、
うちのこーきち君は、いったいどこまでのたぬきなのだか、まったく見当もつかない。
“欺くにはまず味方から”レベルまでのたぬきなのか?
これでピッチの自立が促されて、トリコが精神と判断でより強いチームになっていくのなら、
私は喜んで欺かれてもOKだが、
賢いたぬきには“品位と愛嬌”は必須だと思うんだけど、どーでしょーか?
続投時も心配はしていたが、
こーきち君、言葉の選択とはずしテクにおいて、どーにもあぶなっかしい。
兄の交代について「息が上がっていたようだったから」は、
「あの時点で功治は充分に仕事を仕上げてた」ぐらいに言えるだろうと思うのだ。
“品位のなさ”はよけいな敵も産むよ・・・・下手をすると。内にも外にも。
“わかりにくさ”は、チカラの集約を妨げることにもなるし。

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楽しみにしていた『エルゴラ』の月曜レヴューは、
根底に「しっかりやれ、マリノス」よりも「大丈夫ですか?木村監督。」が。
いったいどこまで悪感情もたれちゃったんだろうかぁ?
(〇ッカンの冷遇っぷりも、このあたりが原因なのでしょーか?)
前号は「功治かわいさに、なにもそこまで・・・・。」だったのだけど。
言っても、こーきち君もわかばマークですし、チームに育てられている感じもあり、
要求はあっても、サポは『ちょー不満』までに至ってないし、
チーム内でそのあたりは解決していってくれると思うので、
(愛情あっても外からは)お手柔らかにお願いしたい所存です。
ほら、たぬきの上に意地っ張りなところがあるみたいなので、
その反動も心配なんで。
鹿戦も千真より功治が先に交代って見方もできたのだけど、
どんな時でも「そこまで言うなら残すぞ」的になっちゃうと、すんげー困るし。
わかばマーク監督に固執しないで、
うちの選手の今季の事細かな成長っぷりに、目を向けてあげてください、ぜひ。
そのほーが、うちのチーム、育つと思うんで。

『~(横浜FMが)何で上位に行けないのか分からない』
興梠!グッド・コメントぉ!
(さすが、紳士監督がいるだけある。)

タグ:中澤佑二
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