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南ア・W杯が教えてくれたこと。 [all over the world *]

どっかで、『スペインの優勝はない』と、優勝してほしい気持ちとうらはらに思っていたかもしれず、
日常的にサッカーを観ているものの先入観というか。
“いいサッカー”“おもしろいサッカー”をするからといって、
かならず勝てるわけではないという、観る側の癖みたいな。

それでもスペインは“そのままの姿”で、8カ国目の優勝国になった。
「ナショナルチームよりクラブチーム」という歴史と風土の都市国家の集合体としての国が、
バルセロナという世界のアイドルをアイコンにひとつの国となり、
みごとに手にしたワールドカップは、
今後のリーガ自体を勢いつけることになるのだと思う。

前半は多少、ファイナルならではの重さがないわけではなかったが、
今回の決勝は、期待したとおりの“真っ向勝負”となった。
120分の結果、
スペインサッカーの申し子、イニエスタのゴールで決着がついたのは、
この南ア大会の物語のいい締めくくりになったように思う。

この南ア・W杯で、
自らの“らしさ”を一度疑い、勝つために現実に足元を固めなおしてみたチームは多数あった。
ブラジルやドイツ、我らが日本、そしてその最高峰がオランダだったのだと思う。
(とくにドイツのリニューは、感動的であった。あ、日本の次に。)
かたやどこまでもありのままの“らしさ”で押し通したチームが、
アルゼンチンとスペイン。

その2つの方向性は、一本の線できれいに区切れるわけではなく、
どちらにもどちらの要素はあるし、優越の問題ではない。
スペインが頂点に立てたのも、
終始ディフェンスに注意を割き、カシージャスのスーパーセーブはもちろんのこと、
代名詞“ポゼッション”を、半分(以上)守備のためのものとしてもできたからともいえる。

サッカーのチームも、戦術やトレンドも生き物で、
行きつ戻りつで絶えずその姿を変える。
テクニックとフィジカル、チームプレーと個人、ポゼッションとカウンター、守備的と攻撃的。
2010年の64試合が終わったこの時点で、
各国のリーグが再開した時、
『ポゼッションするチームとポゼッションさせるチーム』がある程度の流れとなるのだとは思う。
試合は相手あってこそのものだし、それはその試合その試合で様相を変えるのだろうと思うけど。

スペインが決勝においてもあのスタイルのまま頂点に立ったことは、
(乱暴な言い方をすれば)『スペインは正しかった』という現時点の答えとなり、
“ポゼッションすること”の意義は高まり、そこを目指すチームは確信を得るのだと思うが、
すべてのチームがスペインに、バルセロナに一夜漬けでなれるわけではない。
積み上げてきた土台はまるで違う。
土台は積み重ねられた資質。
ポゼッションすることを目指すからといって、
『スペインのような』『バルサみたい!』を合言葉に安易に目指すのは、もう辞めたほうがいい。
そのチーム、そのチームの“ポゼッション”を考え、身につけるべきだし、
それは結局、
自分たちの足元(資質)や環境(リーグ)をしっかり見据え、“なんのために”を考えることを忘れてはいけないし、
目の前の試合に必死になり、勝ちにこだわり勝ちに行くことで、
オリジナリティは鍛えられる。
(まぁ、「そこかしこの試合が横パスやバックパスばかりのゴールを忘れたポゼッションに終始した試合は観たくないなぁ、まじ、つまんないから。」って、本音です。)

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いいところなしで終わった、カカのブラジル、ロナウドのポルドガル、ルーニーとイングランド、エトーのカメルーン、ドログバのコートジボワール・・・・・。
メッシによくも悪くもこだわったアルゼンチン。
フォルランとスアレスを活かすことを選んだウルグアイ。
スネイデルとロッベンを柱にしてファイナルまで上り詰めたオランダ。
個人か組織かのバランスは、サッカーの永遠の課題。
しかし、数人のスター選手がチームを牽引するというのはやはり限界があるというのは、今にはじまった感覚ではないが、
個人の能力がどれぐらいチームのために向けられるかは、
今大会におけるひとつの注目点でもあったのだと思う。

スペインにスターがいないわけではない。
キラ星のごとくのスター選手が、どれぐらいチームに溶け込めるか。
チームにおける自分のタスクにおいて、どれだけの献身をみせられるか。
それは、“僕らの代表”がみせてくれたものでもある。
そして、ドイツのようにどのように時系列でなめらかに新陳代謝し繋いでいけるか。
(スペインの次の課題はここかもなぁ・・・。)

『チームとして』
ここは、ナショナルチームでもクラブでも、
世界の桧舞台でも毎週末のリーグ戦でも、やっぱり変わらないこと。
「○○のチーム」に頂点は、ない。
ましてや、内紛など、戦う準備自体ができていないということだ。

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“僕らの代表”の快進撃もあって、
楽しい1ヶ月のサッカー三昧だった。

W杯は、終わった。しかし、サッカーは続く。
私たちのJリーグも水曜日にはACL組の11節4試合がある。
それは、断じて「4年後のブラジルへのスタート」ではなく、
その1試合1試合が“私たちのJリーグ”そのものの真剣勝負であることを、忘れないでいたい。

“厳しく、楽しい、勇敢な試合”を期待したい。

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印象的なシーンのひとつ、決勝のひとコマ。“厳しく、楽しく”。


と、ゆーことで、J、再開!
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【Loose blog さん】
とてもリアルなスタジアム参戦ガイドです。↑おすすめぇ。
00年シドニー五輪後、俊輔とマツ観たさに、
単独で新横に行った日のことを思い出しましたぁ。
不安もあったけど、初戦から楽しかったし、
すぐに“自分の居場所”を見つけてしまい、
10年も通うことになった。
ナショナルチームの試合やナショナルチームを観ることには瞬発力が必要だけど、
クラブチームは“見守り続けられる”喜び、持続・継続の楽しみです。



タグ:W杯
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